・改造車と車検
自動車の魅力として、ユーザーが自由にカスタマイズできる点が挙げられるでしょう。
カスタマイズの目的は様々であり、見た目を大きく変える、より速く走れるようにするなどの効果が期待できます。
一見して改造していると分かるくらいにパーツをいじる方はあまりいらっしゃらないでしょう。
しかし、社外品を使っている方は珍しくはありません。
改造車であっても問題なく車検に通る場合もあるものの、逆に車検に通らないというケースもあります。
基本的には改造している場合、車検の面で苦労する可能性が高いと考えて問題ありません。
まず、改造について簡単に説明させて頂きますが、交換するのは指定部品に留めておく必要があります。
指定部品とは、社外品に取り換えても問題ないと定められている部品です。
もちろん、保安基準をクリアしていなければいけませんが、指定部品なら交換しても問題はありません。
一方で、それ以外の箇所を社外品に交換してしまうと違法となってしまいます。
指定部品の数は非常に多いので挙げることはできませんが、タイヤやホイールは多くの方がいじるポイントでしょう。
自動車を改造するのは問題ありませんが、法律に引っかかってしまわないように注意しなければいけません。
・車検の時だけ元に戻せば良いのか
改造車の場合、車検が通らなくなってしまう可能性が高めです。
その場合、まず考えられる処置は社外品を取り外して元に戻す作業となっています。
元のパーツが手元にあるならば、そちらに戻してしまえば問題はありません。
正規ディーラーといったところに持ち込んだ場合は、連絡が来る可能性が高めです。
このままでは車検に通らないので、元に戻しても良いか尋ねられるでしょう。
了承すれば、元に戻した上で車検を通すこととなります。
仮に工場などに持ち込まず、いきなり改造車を陸運局に持ち込んだ場合ですが、それだけで咎められることはないでしょう。
しかし、改造車の場合は車検は通らず、その理由も説明されない可能性が高めとなっています。
この場合も、理由を調べた上で元に戻してしまえば問題はありません。
しかし、注意したいのは車検の時だけ元に戻す行為です。
車検は安全に公道を走るための検査なので、一時的に元に戻して車検を通し、終わってしまえば再び改造車にするのは問題行為となっています。
改造車に乗るのをやめるならば元に戻すのも手ですが、そうでないならば避けた方が無難です。
そのような抜け道的な手段を使うくらいならば、構造変更申請を行った方が良いでしょう。
・構造変更申請とは
構造変更申請は、改造車を車検に通す場合に役立ちます。
公認車検と呼ばれることもあり、スタンダードな手段です。
改造車は法律的に問題がある可能性が高く、それを合法にするように申請するのが構造変更申請となっています。
これが通れば、法律的な問題は消滅しますので、安心して走ることが可能です。
もちろん、どのような改造でも受け入れられるわけではないので、守るべきところは守らなければいけません。
構造変更申請を行わなければいけない箇所は決まっており、型式の異なるエンジンの使用、プロペラシャフトの変更など多岐に渡っています。
合法になるのが魅力ですが、一方でデメリットも多く注意が必要です。
まず、構造変更申請は簡単に申請が通るわけではありません。
改造しているのですから、陸運局の方も時間をかけてチェックすることとなります。
また、車検を担当する業者が改造について詳しくないならば、まず間違いなく時間がかかってしまうでしょう。
過去に扱ったことのある改造ならば資料も集めやすいのですが、初めてのものの場合はどうしても時間が必要です。
このような理由から、なかなか車が戻ってこないということも珍しくはありません。
また、車検証の型式欄に「改」の文字が入るのもデメリットと言えるでしょう。"